税理士試験に挫折しないために考えておきたい6つのこと
世間一般的には税理士試験よりも難しいと言わている国家試験はたくさんあるかと思います。
しかし、税理士試験だけにしかない特殊性があり、この試験に挑戦したことがある人にしかわからない辛さというものがあるのも事実です。
税理士試験の特殊性として、通常1年で官報合格(5科目クリア)を果たすことは極めて稀で、多くの場合は複数年にわたる長期的な受験計画が必要になることです。
1科目ずつ受験できるというのは、有難い面もありますが、独身のときに受験をはじめても、その後、結婚したり、子供が生まれたり、転職したりと、自分自身の生活環境も変わりますので、そういった環境の変化にも負けず受験を継続して合格を勝ち取るのは至難の業だったりします。
20代とか30代の自分自身の人生にとっての大切な期間を長期にわたって税理士試験にささげることになるため、途中で挫折することなくしっかりと官報合格まで辿り着きたいところです。
参考になるかは分かりませんが、今回は、私自身の経験を踏まえ、そのために大切と思われるものを書いてみました。
1.税理士になりたい理由を明確にしておく
長期の試験を乗り切るためには、税理士になりたい理由を明確にしておくことが大切だと考えます。
受験勉強が苦しい時に、
「あれっ、なんで税理士をめざしていたんだっけ。」
なんて思いが沸いてこようものなら、集中力の糸が切れてしまいかねません。
理由なんて崇高な想いでなくて良いと思いますし、むしろ自分の本当の気持ちに忠実なものの方が力が出るのではないかと思います。
個人的には、以下のようなことを考えていました。恥ずかしいものもありますが、絶対に合格したと思う力になっていたことも事実です(苦笑)
- 税理士になって颯爽と仕事をするかっこいい自分になりたい
- いざとなれば、独立して好きに仕事をすることもできる
- 難関国家資格である税理士になれば周りから凄いと思ってもえる
- 無職で専念しているがいつか周囲を見返してやりたい
2.受験初年度は少し頑張ってみる
鉄は熱いうちに打て
という格言がありますが、税理士試験にも当てはまる格言だと思います。
おそらく、専門学校にはじめて税理士試験の講座を申込に行ったその年こそが、やる気に満ち溢れた、最もモチベーションが高い年のはずです。
やる気がある時は少々の無理もきくもので、むしろ、当初は、難関資格に打ち込む自分自身に酔ってしまうこともあるくらいです。もちろん、自分自身の経験談です(笑)
ですので、受験初年度に少し頑張ってみて、出来れば、初年度に1つ合格科目を積み上げてしまうのが理想の形だと感じます。
ただし、気を付けたいのは「やりすぎ」にならないこと。無理しすぎるのは逆効果です。
3.無謀な受験計画を避け長期計画で
私の受験計画は、以下のようなものでした(苦笑)
- 1年目:簿記合格、財表合格
- 2年目:法人合格、消費合格
- 3年目:相続合格
2年目の受験専念を視野に入れていたとはいえ、今考えてもかなり無謀な計画です。
ただ、受験を始めた当初は何の迷いもなく普通にクリアできると思っているのが怖いところ(汗)
合格体験記などを読むと、簿財の初年度同時合格や、専念での2年官報合格、働きながら毎年1科目ずつ合格しての5年官報合格は、身近に感じがちですが、どれも異次元の領域の方々です。(だからこそ合格体験記に選ばれるわけです。)
目標を高く掲げるのはありだと感じますが、無謀な目標に縛られすぎず、ある程度中長期的な計画も視野に入れて、毎年無理のない科目選択で挑んだ方が良いと考えます。
4.合格科目を1つ勝ち取る
合格科目を1つ積み上げると、合格の喜びを感じることができ、自信にもつながりますし、どの程度勉強すれば合格ラインに達するのかなど、受験の勘どころみたいなものも少しつかめるようになります。
さらには、以下のように合格科目を積み上げて、合格の階段を一つでも上っていくことで、途中でやめてしまおうと思う気持ちもだんだんと少なくなるのではないかと感じます。
- 合格科目無し
- 1科目合格している
- 会計科目をクリアしている
- 会計科目にプラスして税法科目を1つクリアしている
- 会計科目にプラスして法人税か所得税をクリアしている
- 4科目クリアして官報リーチとなっている
5.専門学校に通って授業を受ける
私自身は通信講座も教室講座も両方を経験しました。
もちろん、通信講座のメリットも多いと実感してきましたし、生活環境によっては通信講座を選ばざるを得ないこともあるかと思います。
ただ、可能であれば、初めは教室に通って授業を受けるようにした方が頑張れるのではないかと。
教室に行くことで、集中力はより高く保てるでしょうし、周りで頑張っている人を見ることもモチベーションのアップにつながります。
私自身も働きながら受験していたころは、仕事が終わってから専門学校の自習室に通って、頑張って勉強する同じスーツ姿の方に大きな刺激をもらっていました。
6.家族や職場の理解を得る
長丁場の試験になりますので、家族の理解は必須だと考えます。
場合によっては、職場に知られるとまずいということや、職場に知られるとやりにくいと感じる場合もありますが、職場の理解を得ることが出来れば、平日夜の授業も受けやすくなります。
家族であったり仕事の環境が落ち着いていないと集中して勉強もできません。
もしかしたら、税理士試験を乗り切るためには、この6つ目が一番重要ではないかとも思えます。
まとめ
私自身も税理士試験を受けている間にハプニングに見舞われたことや、全てを捧げて勉強したのに結果が出ず、ふさぎ込んでしまった時期もありました。
もし、これから税理士試験を受けようと考えている方や、既に受験中の方の少しでも参考になればうれしく感じます。