税理士のキャリアにはどんな選択肢がある?新米税理士が考えてみました
税理士試験を受験していたときは、将来、自分自身が税理士としてバリバリ活躍する姿を夢見て勉強に励んでいました。
特に、BIG4と呼ばれる大手の税理士法人で颯爽と働く姿を(笑)
しかし、いざ、税理士になって感じるのは、キャリアの選択肢は思っていたよりも多いということ。
今日は、税理士のキャリアの選択肢を考えてみたいと思います。
税理士事務所で働くということ一つをとってみても、所属税理士として前線で働くのか、社員税理士として経営に携わるのかという方向があります。もちろん、税理士事務所以外にも活躍のフィールドが多くあります。
税理士のキャリアにはどんな選択肢がある?
税理士のキャリアというと、独立するか、税理士事務所で勤め続けるかの二択で考えがちですが、細かく見ると、結構奥が深いものです。
同じ勤めるというところで見ても、所属税理士か社員税理士かでは大きく異なります。
そして、もちろん、税理士事務所以外に活躍の場を求めることもできます。
独立開業
まずは、独立開業ですね。
巷の経済雑誌などを見ると、今税理士として独立して食べていけないといった内容の記事もよく見ますが、少なくとも私の周りで見ると、あまり当てはまらないように感じます。
もちろん、全くのゼロからの開業であったり、のれん分けを受けていたり、先に独立した士業と連携して集客したりと、それぞれの境遇が異なると、採算ラインに乗るまでの期間に差は生じます。
もちろん、戦略を練って努力をする必要はありますが、食べていくというハードルは思われている以上に高くはないのかと。本当に税理士業というのは恵まれていると感じるくらいです。
むしろ、「食べていける=成功」という図式で考えてみると、そちらの方が危険です。
充分に食べては行けるけど、忙しすぎて家族との時間がないであったり、体を壊した、採用がうまくいかないなど、色々と問題は出てくるものです。
そう考えると、初めのうちから、どのような事務所を目指すのか、しっかりと理想を明確にしておくことが大切だと感じます。
ちなみに、独立開業の醍醐味は、「自分の最高だと思うやり方で、自分の大切な顧問先に貢献し、自分の好きなように仕事ができ休息も取れる」という自由さであり、本当に最高だと思います。
個人事務所の跡継ぎ候補
次は、既に働いている個人事務所の跡継ぎ候補。
所長先生が高齢で親族などの近いところに後継ぎ候補がいない場合は、自分自身が実質的な後継ぎ候補として期待されることもあるかもしれません。
お世話になっている所長先生の期待に応えたいという気持ちも出てくるでしょうし、一緒に働いててきた仲間や顧問先とこれからも長く仕事ができるというのはうれしいことでもあります。
そして、ゼロから開業することを考えると、基盤がある状態で引き継げるのなら有難いと感じることもあるかもしれませんが、むしろ大変な部分だって多くあるはずです。
私の同期の税理士が近い状況でしたが、第三者の私には感じることができないような苦労を背負っていたように感じますので、やはり、大きな覚悟が必要なのだなと。
- 所長先生の気が変わってしまうかもしれない
- 既存の顧問先やスタッフに対する責任を一手に負うことになる
- 今までのやり方があるため、自分のやりたいようにできない可能性もある
- などなど
中堅税理士法人の所属税理士・社員税理士
マネジメントよりは前線でバリバリと働く時間を大切にしたいということで所属税理士を選択するということも可能です。
そして、税理士資格があれば、セミナー講師や執筆、提携先との同行営業など、仕事の幅も大きく広がります。これは私自身も実感しました。
私自身もマネジメントに使う時間があるのなら一件でも顧問先を追加で担当したり、新しい仕事をして税理士としての経験値を高めたいと考えた時期がありました。
とはいえ、そこそこの規模の税理士法人で働いていると、資格を持ち、キャリアが長くなってくると、マネジメントに期待されることも多くなります。
そして、実務能力に加え、マネジメント能力を評価されれば、将来的に税理士法人の社員税理士になるという選択肢も出てくるのではないでしょうか。
大手税理士法人などのスペシャリスト
BIG4や特化型の税理士法人などで以下のようなスペシャリストを目指すという選択肢もあります。
- 相続などの資産税のスペシャリスト
- 組織再編のスペシャリスト
- 移転価格税制など国際税務のスペシャリスト
- などなど
これらは、独立開業して自分で小規模な事務所を経営しているだけでは、なかなか携われない仕事ばかりです。
例えば、相続の仕事ことが好きで好きでたまらないという場合なんかは、まさに、このキャリアが当てはまるのではないでしょうか。
税理士として難しい税法を駆使した仕事がしたい、税理士としての専門的な知見を高めたいなどに当てはまるのであれば、最高のキャリアではないのでしょうか。
一般企業の経理部門
次は、税理士事務所や税理士法人以外の選択肢です。
最近はチェックできていませんが、大企業が国際税務や組織再編の経験がある税理士に対する求人を出していることを見たことがありますので、こういった分野のニーズもあるのかもしれません。
また、大企業以外でも成長著しい法人での企業内税理士として活躍するという選択肢もあるはずです。
企業規模が急成長し、関連会社間の取引も増えてきたりすると、物理的に顧問税理士がチェックしきれないところも増えてきますし、内部体制も追いつかないものです。
そんな時に、社内のことにも精通した税理士が経理部門にいれば、顧問税理士と連携できますし、しっかりと価値を出せるのではないかと思います。
ただ、こういった求人があるのか、そして、うまく見つけられるのかは何とも言えませんが。
その他
その他にも、以下のようなところで活躍している税理士もいます。
- 公務員
- 金融機関
- コンサルティング会社
- 外資系企業
- ベンチャー企業
- などなど
税理士資格を存分に活かすこともできますが、別に税理士資格に縛られる必要もありません。
視野を広く持てば、活躍のフィールドは無限大だと思います。
自分自身の目指す「生き方」がキャリア選択の軸になる
自分自身のキャリア選択にあたっては、「生き方」という自分自身の軸が重要になるはずです。
自分の時間や家族との時間を大切にしたいと考えるのであれば、残業や休日出勤が多い職場は向いていないかもしれません。
まずは、この辺りを明確にする必要があるのではないかと思います。
- 家族との時間を大切にしたい
- 趣味の時間も大切にしたい
- 自分の時間を大切にしたい
- 残業はしたくない
- 仕事を第一に考えたい
- しっかりと稼ぎたい
- 住みたい場所が明確にある
- 税務以外にもチャレンジしたいことがある
- 好きな顧問先や仲間と仕事がしたい
- とある税務分野のプロフェッショナルになりたい
- とある分野の仕事に特化して知見を高めたい
- などなど
まとめ
色々と書かせて頂きましたが、あくまで、私の経験や知り合いの経験などをベースに書いていますので、一般論から考えると少し極端な意見もあるかもしれませんので、その辺りは多めに見て頂けるとありがたいです(汗)
言いたかったのは、税理士の活躍のフィールドは無限大ということと、キャリア選択にあたっては自分自身が目指す「生き方」の整理が必要だということです。
少しでも読んで下さった方の参考になれば幸いです。
私の場合は家族との時間を大切にしたいという点を重視しています。子供が大きくなり、相手をしてもらえなくなったら、バリバリ働こうと思います(苦笑)